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Atelier Kaii - blog -

   〜 Kaiiの旅日記 〜

『芸術』という出口の見えない世界に迷い込んだ
ひとりの画家の素朴な日常をご紹介♪

※Atelier Kaii は、『東北地方太平洋沖地震』
≪2011年3月11日(金)14時46分発生・M9.0≫で
被災された方々を、総力を挙げて応援いたします
<< 腐敗政治 | main | 『故・五郎丸 清春 遺作展』 『五郎丸 塊維 作品展 "HANA"』 >>
訃 報
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     2010年11月14日(日)20時26分、私の父である、画家・五郎丸清春(日展系示現会会員)は、家族の見守る中、福岡市内の病院に於いて、その生涯に幕を下ろしました。

     大正13年2月16日生まれの、享年86歳。

     「人生の最期が楽しくてしょうがなかったら、死んでも死にきれないだろう」とは、尊敬する名医から頂戴したお言葉ですが、その、生涯の後半に背負わされた病らとの長い闘いは、日展に向けた大作に、筆を入れることを諦めねばならないほどの、老木に刄を入れるかの修羅場であり、私たち家族は元より、たくさんの医療関係者、介護福祉の方々の助力を乞わねばならぬ、過に切なるものでした。

     ただ、その過酷な闘病生活に於きまして、ゆらゆらたなびく水中花のように、息を控え、静かに、そっと眠るような最期を迎えられましたことは、私たち遺族の、せめてもの、心の安らぎとなっております。

     この場をお借りしてではございますが、父の闘病生活を支えてくださいました、数多くの皆さま方へ、篤く御礼を申し上げます。境地ともいえる、この大団円まで辿り着けましたのも、皆さま方のご厚情がありました故の帰結でございます。遺族一同、心より感謝いたしております。

     粗野な引用ですが、地雷は敢えて、人を殺さぬ程度の爆薬を詰めてあると耳にします。敵を殺しては、その遺族に決して消えない憎しみを刻ませてしまうことがひとつ、もうひとつは、近親者を怪我人の介護にまわし、手を煩わせるのがその理由だということです。

     私は後者は、現代医療、その中でも延命治療に投じられた大きな課題であり、核家族化が進むこの世の中で、『姥捨山(うばすてやま)』など、あってはならない話がすぐそばまで迫ってきているような、不穏な気がしてなりません。『延命治療=地雷』とならぬよう、延命と介護の両立を真剣に考えてゆかねばならない…日本を始めとする先進国が、今まさにそういう状況にあることを、痛切に感じております。

     『人は二度死ぬ』

     フランス留学時代に、私が、文学を専攻する友人からいただいた、伝え文句です。一度目は、肉体の死。二度目の死は、自分の存在が、周りの皆から忘れられた刻だそうです。

     父の病床で、偶然看護師の方とこの会話をすることとなり、横たわる父の耳に、その内容が届いていたかの確信はございませんが、私は、『絵を遺す』という行為は、この二度目の死に歯止めをかける、絶好の大業ではないかと思うのです。自らの描いた作品が、400年、500年後の誰かの琴線を揺らす。自分の肉体が滅びようとも、生前に感じたこと、生涯で築き上げた万感の想いが、未来の子供たちへと贈られるのです。

     まだまだ整理のつかない、父の作品群然り。息子である私が観ても、遅かりし、今頃、その偉業を感ずる作品に出逢います。それらの作品を、後世へ遺してゆくこと。遠い未来の絵描きさんへと、大事に語り継いでゆくことは、遺された私に課せられた使命であると、認識しております。

     2011年2月度の、村岡屋ギャラリー3Fに於ける『故・五郎丸清春 遺作展』は、その序曲です。数十年に亘る画業の、ほんの一部に過ぎません。近い将来行われるであろう、第2、第3の遺作展にも、ぜひご期待ください。

     そしてもちろん、私自身も、これまで以上の創作活動を行ってゆく所存です。コンクールに出品しないのも、以下に属する道筋となりますが、生きている者ではなく、死んでいった人たちを目標に掲げるのは、私の常々からの生き方であり、父が他界した今となっては、無論、父も私の生涯の目標と相成りました。

     最後に今一度、これまで、私たち親子を支え続けてくださいました多くの方々へ、深く御礼を申し上げます。
     古賀之士アナウンサーを始めとする、FBS福岡放送『めんたいワイド』、『24時間テレビ』、『目撃者f』のスタッフの方々には、父の生き様を、貴重な映像として、遺していただきました。父の面影にじむ、かけがえの無いフィルムとなっております。心より、感謝いたします。

     どうか今後とも、私共父子を、宜しくお願い申し上げます。
     皆さまのご多幸を、亡き父と共に、切にお祈りいたします。


       2011年 清春

        Atelier Kaii

         五郎丸 塊維


    ※関連ページ『龍虎天生』


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